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離婚した元夫(妻)が亡くなった場合は誰が相続する?子供の有無に応じて異なるって本当?

2023.10.11

この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

離婚した元夫(妻)が亡くなった場合、誰が遺産を相続するのか気になる方は多いのではないでしょうか。家族関係は解消されているものの、受け取れるのであれば受け取りたいと思う方もいるでしょう。そこで今回は、離婚した元夫(妻)が亡くなった際の遺産の相続先について詳しく解説します。

離婚後の親族関係と相続権の扱い

前提として、親族関係は血縁関係(親子など)または婚姻関係(夫婦)によって成り立ちます。離婚によって婚姻関係が解消された場合、元夫妻は親族関係から外れるため、親族ではなくなります。親族関係がなければ相続権も失われます。

離婚しても子供との関係は変わらない

離婚によって親族関係が解消されても、子供との親子関係は解消されません。親権や同居状況に関係なく、子供は元夫と元妻の双方と親子としての関係が維持されます。親子の関係は、血縁関係がある場合だけでなく、養親と養子の場合でも同様です。

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再婚後の相続について

再婚後の相続は、再婚相手に子供がいるかどうかによって異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

元夫(妻)との間に子供がいない場合

再婚後、元夫(妻)との間に子供がいない場合、再婚相手が相続人となります。再婚相手が財産を相続した後に再婚相手が亡くなった場合は、その親族や他の相続人に相続されます。この場合、再婚相手が全ての財産を相続しますが、元夫(妻)が遺言書で別の人物を相続人に指定する場合もあります。

元夫(妻)との間に子供がいる場合

元夫(妻)との間に子供がいる場合、再婚相手と元夫(妻)の子供が相続権を有します。相続分は、配偶者が2分の1、子供が2分の1です。

再婚相手との間にも子供がいる場合

元夫(妻)との子供に加え、再婚相手との間にも子供がいる場合は、再婚相手と子供2人が相続権を持ちます。配偶者の相続分は2分の1、子供も2分の1です。子供が複数人いる場合は、2分の1を人数で割るため、今回の例では4分の1ずつ相続します。

このように子供はどのようなケースにおいても相続権を持ち、離婚した配偶者は相続権を持ちません。

再婚相手の子供が連れ子だった場合

元夫(妻)が再婚相手との間にもうけた子供ではなく、再婚相手の連れ子だった場合は養子縁組をしない限りは親族関係がないため、相続権はありません。元夫(妻)との間に子供がいる場合は、再婚相手が2分の1、子供が2分の1を相続します。

元夫(妻)の財産を相続できるケース

元夫(妻)の財産を自身が相続することはできません。ただし、遺言書で相続先に自身が指定されていた場合には、相続できる可能性があります。ただ、元夫(妻)が再婚していた場合は、再婚相手も相続人となるため、遺留分侵害額請求を受けるリスクがあるでしょう。

遺留分侵害額請求とは、法定相続人に最低限認められた相続分(遺留分)を侵害された際に、それを取り戻すための請求のことです。例えば、配偶者は財産の2分の1を相続することが認められています。配偶者の遺留分の割合は、2分の1の半分である4分の1です。遺言書で財産の4分の3以上を元夫(妻)に相続すると指定されていた場合は、財産の4分の1に相当する額の遺留分侵害額請求ができます。

元夫(妻)との子供に相続させない内容の遺言書がある場合

元夫(妻)との子供に一切相続させず、再婚相手とその間にできた子供にだけ相続させる内容の遺言書がある場合、元夫(妻)との子供は相続できません。ただし、この場合も遺留分侵害額請求ができます。

相続人廃除されているケースに注意

相続人廃除とは、相続人としての地位を奪う手続きのことです。相続人としての地位を持つ人が被相続人に対して虐待や重大な侮辱を与えた場合、相続人廃除の対象となります。また、被相続人の財産を不当に処分し、相続財産を減少させた場合も同様です。さらに、相続人が賭博などの不正行為によって多額の借金を作り、それを被相続人に支払わせた場合も相続人廃除の対象となります。

ただし、相続人廃除となるかどうかは裁判所が判断するものであり、単に悪口を言われたり軽く叩かれたりした程度であれば、相続人廃除とはならない可能性があります。もし、元夫(妻)との間にできた子供が相続人廃除をされている場合は、遺留分侵害請求もできません。

まとめ

離婚した元夫(妻)が亡くなった場合、誰がどれだけの相続分を持つのかについては複雑な面があります。想定していた財産を受け取れない事態を防ぐためにも、あらかじめ弁護士に相談しておくことが大切です。子供に財産を渡したくない場合も、どうすればよいのか相談しておきましょう。

梅田パートナーズ法律事務所では、相続トラブルを未然に防ぐためのアドバイスや手続代行などを行っております。まずはお気軽にご相談ください。

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弁護士法人梅田パートナーズ法律事務所は、確かな実績を積む30代の若い弁護士2名と事務スタッフ数名が在籍しております。
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特に財産に会社株式のあるケースや経営権が絡む相続問題を得意としており、税金対策や経営についても多角的な視点を持って、何が一番いいのかを考え、相続計画と遺言書をつくる必要があります。

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経 歴

2010京都大学 卒業
2012神戸大学法科大学院 卒業
2012司法研修所
2013弁護士 登録
2014中小企業診断士 登録
2014梅田法律事務所 設立
2015経営革新等支援機関 認定
2016梅田パートナーズ法律事務所 改称

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著書および論文名・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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