内縁の妻や夫に相続させるには?相続のルールや対策法を解説
内縁の妻や夫に財産を相続させたくとも、何の対処もなくいずれかが亡くなると、その財産は内縁の妻や夫には相続されません。相続のルールを理解したうえで、内縁の妻や夫に相続させる方法について確認することが大切です。この記事では、内縁の妻や夫に相続権がない理由や相続させる方法などについて詳しく解説します。
内縁の妻や夫に相続権がない理由
内縁関係の夫婦とは、法律に基づく婚姻届を提出せずに事実上の夫婦生活を送っている夫婦のことです。一般的に相続権は認められていないため、いずれかが亡くなった場合に財産を内縁の妻や夫に相続させることはできません。
ただし、一部の自治体では住民票の「世帯主との続柄」欄に「夫(未届)」「妻(未届)」と記載することで、法律婚と同等の権利を得られます。
相続権を持つ親族と相続順位
相続権を持つ親族と相続順位は以下のとおりです。
- 第1順位:子
- 第2順位:直系尊属(父母や祖父母など)
- 第3順位:兄弟姉妹
配偶者は常に相続人のため、配偶者がいなければ子、子がいなければ直系尊属、直系尊属がいなければ兄弟姉妹が相続します。内縁関係の妻や夫は上記に含まれておらず、法定相続人ではありません。
内縁の妻や夫に相続させる方法
それでは、内縁の妻や夫に財産を相続させる方法について詳しく見ていきましょう。
生前贈与をする
生前贈与は、指定した人物に財産を譲渡する手段の1つです。誰に贈るかにはルールがないため、内縁の妻や夫にも財産を贈ることができます。年間の贈与額が110万円を超える場合、贈与税がかかります。
また、贈与税を避けるために毎年110万円を相続し続ける場合は暦年贈与とみなされ、贈与税がかかる恐れがあります。そのため、贈与する時期と金額にバラつきを持たせるとともに、贈与契約書を作成することが重要です。
遺言書で遺贈を指定する
遺言書は被相続人(亡くなった方)が生前に作成する法的文書で、亡くなった後の財産を誰にどれだけ相続するかを指定するものです。遺言書に、内縁の妻や夫に財産を譲る旨を記載することで、法律上の婚姻関係がなくても財産の相続が可能になります。
遺言書には、公正証書遺言と自筆証書遺言の2つの形式があります。公正証書遺言は公証役場で公証人の立ち会いのもとで作成するもので、自筆証書遺言は本人が手書きで作成して日付と署名を記載するものです。
相続したい財産の内容や割合、条件などを遺言書に記入しましょう。ただし、遺言によって財産を相続する場合は、配偶者に対する相続税の軽減制度は適用できません。これは、法的に成立している配偶者に認められる制度で、「相続財産の1/2まで」または「1億6,000万円までの相続財産」を取得した場合に相続税が非課税になります。
また、内縁の妻や夫が相続する場合、相続税額の2割に相当する金額が加算されます。そのほか、法定相続人が最低限相続できる「遺留分」の侵害にも注意が必要です。遺留分を侵害すると、遺留分滅殺請求によって遺留分相当額を法定相続人に渡すことになります。
特別縁故者になる
特別縁故者は、以下の条件を満たした場合に特別に相続できる人物のことです。
- 被相続人に法定相続人がいない
- 遺言書がない
- 生計を同じくしていた
- 被相続人の療養看護に努めた
- 特別の縁故がある
この場合、家庭裁判所への申し立て手続が必要になるため、相続に詳しい弁護士のサポートを受けることが大切です。
生命保険金の受取人にできる場合がある
生命保険金は、被保険者が亡くなった場合に受け取ることができる保険金です。生命保険金の受取人は、通常は「配偶者及び2親等内の血族(子、孫、兄弟姉妹、父母、祖父母)」とされています。しかし、一部の保険会社では、内縁関係のパートナーを受取人として指定できます。
保険会社によっては、被保険者と一定期間同居し、生計を共にしていたことを要件とする場合があります。この期間は保険会社により異なるため、契約前に詳細な条件を確認することが必要です。
内縁関係のパートナーを生命保険金の受取人に指定する場合、内縁関係や同居生活を証明するための書類や証拠を求められます。保険会社によって必要な書類や証拠は異なるため、保険契約前に確認しましょう。
まとめ
内縁の妻や夫に財産を相続させることはできませんが、生前贈与や特別縁故者、生命保険などを活用することで、財産を贈れる可能性があります。状況に応じて選択できる方法が異なるため、まずは相続に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
梅田パートナーズ法律事務所では、内縁の妻や夫に相続させたいときの対応方法はもちろん、税金関連のサポートやアドバイスもしております。まずはお気軽にご相談ください。
0120-074-013
(電話受付時間:朝9時~夜10時 土日祝も相談可能!)
個人・企業にかかわらず、遺言、遺産分割、登記、財産調査、相続税対策、事業承継などあらゆる相続問題について最善策をご提案します。
(相談内容の対象) 遺産相続・遺留分・遺産分割・遺言書作成 手続き
親族間トラブルから終活のご相談まで、相続問題全般に幅広く対応します!
遺産相続の悩み、苦しいことを一人で悩まないでください。専門の弁護士にお任せください。 初回無料でご相談いただけます。何を話せば良いか、誰に相談したら良いか分からない方もお電話を。
STAFF
弁護士紹介
代表弁護士
西村 雄大Takahiro Nishimura
弁護士法人梅田パートナーズ法律事務所は、確かな実績を積む30代の若い弁護士2名と事務スタッフ数名が在籍しております。
相続・事業承継のご相談は長いおつきあいとなりますため、長く見届けることのできる私たちの「若さ」も強みとなっています。
個人・企業にかかわらず、遺言、遺産分割、登記、財産調査、相続税対策、事業承継などあらゆる相続問題について最善策をご提案します。
相続に欠かせない税理士や司法書士、弁理士との提携で、それぞれの専門家とチーム体制で取り組みます。
特に財産に会社株式のあるケースや経営権が絡む相続問題を得意としており、税金対策や経営についても多角的な視点を持って、何が一番いいのかを考え、相続計画と遺言書をつくる必要があります。
事業承継、企業法務、会社法の仕組みにも精通している当事務所だからこそ、安心しておまかせいただけます。
経 歴
2010 | 京都大学 卒業 |
---|---|
2012 | 神戸大学法科大学院 卒業 |
2012 | 司法研修所 |
2013 | 弁護士 登録 |
2014 | 中小企業診断士 登録 |
2014 | 梅田法律事務所 設立 |
2015 | 経営革新等支援機関 認定 |
2016 | 梅田パートナーズ法律事務所 改称 |
事務所概要
所属弁護士会 | 大阪弁護士会【登録番号 49195】 |
---|---|
住所 | 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-6-4 R-Ⅱビル2階 |
最寄駅 | 北浜(なにわ橋)駅 |
電話番号 | 0120-074-013 |
営業時間 | 平日 :09:00~22:00 土曜 :09:00~22:00 日曜 :09:00~22:00 祝祭日:09:00~22:00 |
営業時間・備考 | ・土日祝日は事前にお電話いただくことで対応可能 ・全国どこでも対応可能 |
所属団体 | ・大阪中小企業診断士協会 ・日本中小企業診断士協会 ・全国倒産処理弁護士ネットワーク ・大阪青年会議所 |
著書および論文名 | ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院) ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」 ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載 |
アクセスマップ
こちらのコラムもよく読まれています
電話受付時間 / 朝9時~夜10時 土日祝も相談可能!