親子が共有している不動産の相続はどうなる?いずれかが死亡した場合は?
不動産の共有とは、複数の人が同じ不動産を所有する状態を指します。この共有において、各所有者は持分と呼ばれる割合で不動産を所有します。例えば、親と子が一緒に不動産を購入し、それぞれが出資した金額に応じて持分を持つことがあります。
親子のいずれかが亡くなった場合、不動産の相続はどのようになるのでしょうか。今回は、親子の共有名義の不動産の相続について詳しく解説します。
共有者が亡くなっても不動産の持ち分が増えるわけではない
共有者が死亡した場合、その持分は自動的に他の共有者に移ると考えている方もいるでしょう。しかし、共有持分は相続財産となり、亡くなった共有者の相続人が相続します。例えば、親子間での共有の場合、子供は親の相続人となり、親の共有持分を相続できます。ただし、兄弟姉妹がいる場合や、親に配偶者がいる場合など、他の相続人が存在する場合は、遺産分割が必要です。
不動産の共有者が亡くなったときの対応の流れ
不動産の共有者が亡くなったときは、次のように対応しましょう。
1.遺言書の有無と内容を確認する
遺言書の内容をもとに相続するため、まずは遺言書の有無とその内容の確認が必要です。
遺言書が公正証書遺言の形式で作成されている場合、法務局に保管されており、「遺言書保管事実証明書」の交付請求によって有無を確認できます。
遺言書が自筆証書遺言である場合、金庫や棚などを探す必要があります。自筆証書遺言は勝手に開封することができません。開封するためには家庭裁判所で検認手続きを行う必要があります。勝手に開封すると内容が無効になる可能性があるため、正しい手順で進めましょう。
2.遺言書で指定されていない場合は遺産分割協議を行う
遺言書が存在しない場合は、全ての相続人が集まって遺産分割協議を行う必要があります。相続人全員の合意がなければ成立しないため、相続人の特定と相続財産の調査が必要です。
法定相続人は被相続人の親子、配偶者、兄弟姉妹などで、民法で定められた順位に基づいて相続権を有します。まずは、戸籍を調査して法定相続人を確定させましょう。
続いて、被相続人の財産(預貯金、不動産、車、有価証券など)を調査します。金融機関から預貯金情報を取得し、法務局や市区町村役場で不動産情報を照会しましょう。
相続人調査および相続財産調査が完了したら、遺産分割協議を開始します。協議では、遺産をどのように分配するか、共有不動産をどのように扱うかなどの問題を協議し、全員の合意を得る必要があります。
共有名義の不動産がある場合、共有者である相続人が共有持分を相続するためには、他の相続人との合意が必要です。共有物の分割方法や代償金の金額など、共有不動産に関する取り決めも行います。
共有不動産の分割方法や代償金の金額の相当性など複雑な問題が生じることがあるため、弁護士に相談・依頼することがおすすめです。
3.相続登記する
不動産の共有持分の登記名義を相続する人に移転するために、相続登記を行います。相続登記は法務局で行われ、遺産分割協議書や証拠書類の提出が必要です。令和6年4月1日からは相続登記が義務化されるため、該当する場合は早めに手続きしましょう。
共有者に相続人がいない場合はどうなる?
共有者に法定相続人がいない場合は、他の共有者に分配されます。
ただし、特別縁故者がいる場合は対応に注意が必要です。特別縁故者は、被相続人と特別な縁故がある者を指します。例えば、被相続人と生計を同じくしていた者や被相続人の療養看護に努めた者、内縁の妻などです。
特別縁故者から財産分与の申し立てがあれば、被相続人の共有持分は特別縁故者にが相続する場合もあります。この場合、まず特別縁故者への財産分与が行われ、残った共有持分について他の共有者に分配されます。
しかし、特別縁故者がいない場合、最終的には残った共有持分は他の共有者のものとなります。
相続人との間でトラブルになることもある
共有者が亡くなり、その持ち分が法定相続人に相続された場合、その人物との折り合いが合わずにトラブルになることがあります。例えば、一方は不動産を売りたいが、もう一方は売りたくない場合、両者の合意がなければ売ることはできません。このようなトラブルを避けるためにも、共有している不動産は早めに処分することも検討しましょう。
まとめ
親子が共有している不動産は、いずれかが亡くなればその法定相続人に相続されます。遺言書の有無で対応が異なるほか、相続人がいないとしても特別縁故者について確認が必要です。梅田パートナーズ法律事務所では、問題が複雑化しやすい共有不動産の相続についてもサポートしておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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特に財産に会社株式のあるケースや経営権が絡む相続問題を得意としており、税金対策や経営についても多角的な視点を持って、何が一番いいのかを考え、相続計画と遺言書をつくる必要があります。
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経 歴
2010 | 京都大学 卒業 |
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2012 | 神戸大学法科大学院 卒業 |
2012 | 司法研修所 |
2013 | 弁護士 登録 |
2014 | 中小企業診断士 登録 |
2014 | 梅田法律事務所 設立 |
2015 | 経営革新等支援機関 認定 |
2016 | 梅田パートナーズ法律事務所 改称 |
事務所概要
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著書および論文名 | ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院) ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」 ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載 |
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