遺族年金とは?受給資格から支給額・手続きまで解説

2022.9.7

この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。いずれも、世帯の生計を維持していた被保険者の遺族に対してお金が支払われます。遺族年金の受給資格や支給額をチェックしておきましょう。ここでは、遺族年金の内容や受給資格、支給額、手続きなどについて詳しく解説します。

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遺族年金とは

遺族年金とは、世帯の家計を維持していた被保険者が亡くなった際に遺族に対してお金が支払われる制度です。生前に加入していた年金制度によって内容が異なります。国民健康保険に加入していた場合は遺族基礎年金、厚生年金に加入していた場合は遺族厚生年金を受給できる可能性があります。

障害年金や老齢年金などを受け取っている場合は、同時に遺族年金を受け取れない点に注意しましょう。

また、遺族年金は全額非課税であり、所得税や住民税、相続税などは一切かかりません。そのため、確定申告も不要です。

遺族基礎年金とは

遺族基礎年金とは、国民年金の被保険者または老齢基礎年金の資格期間を満たした被保険者が亡くなった際に、遺族に対してお金が支払われる制度です。18歳未満の子供がいる世帯が対象ですが、妻が亡くなっており夫が受給する場合は、妻の死亡時における夫の年齢が55歳以上でなければ受給できません。

受給額

子供のいる配偶者が受け取る場合は、777,800円+子の加算額で計算します。1人目、2人目の加算額は223,800円、3人目以降は74,600円です。

手続き

遺族基礎年金を申請する際は、申請書に加えて亡くなった被保険者の年金手帳、請求者の戸籍謄本、請求者の収入を確認できる書類、子供の収入を確認できる書類、請求者名義の受取金融機関の通帳やキャッシュカード、印鑑が必要です。

提出先は、請求者の所在地を管轄する市区町村役場の窓口です。

遺族厚生年金とは

遺族厚生年金は、厚生年金に加入していた人物が亡くなった際に遺族がお金を受け取れる制度です。厚生年金に加入していなくても、厚生年金加入中に初診日がある傷病が原因で、初診日から5年以内に死亡した場合や、老齢基礎年金の資格期間を満たした人が亡くなった場合も対象です。

遺族厚生年金は、遺族基礎年金に加算する形で支給されます。また、18歳未満の子供がいない配偶者、その他の人にも支給されることが特徴です。なお、配偶者が優先で、続いて子供、被保険者の父母、孫、祖父母が続きます。

受給額

遺族厚生年金の受給額は、亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3です。65歳以上で老齢厚生年金を受け取れる方が配偶者が亡くなった際に遺族厚生年金を受け取る場合は、「亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」と「亡くなった方の老齢厚生年金の報酬比例部分の2分の1の額と自身が加入している老齢厚生年金の額の2分の1の合計額」を比較し、高い方の額を受給できます。

手続き

年金請求書や戸籍謄本、世帯全員の住民票の写し、死亡者の住民票の除票、請求者の収入を確認できる書類、子供の収入を確認できる書類、受取先金融機関の通帳やキャッシュカードなどを用意して、年金事務所や年金相談センターに提出します。

遺族厚生年金の受給額が増える制度

遺族厚生年金には、中高齢寡婦加算や経過的寡婦加算といった受給額が増える制度があります。中高齢寡婦加算は、夫が死亡時に妻が40歳以上であり、子供がいない、あるいは末子の年齢が年度末に18歳に到達した場合に適用されます。65歳まで遺族基礎年金の4分の3が加算されますが年金額改定の影響を受けます。

経過的寡婦加算は、中高齢寡婦加算の対象であり、中高齢寡婦加算の支給が修了した65歳時点から支給されます。1956年4月2日より前に生まれた方のみが対象です。受給資格を満たしていれば、65歳になった時点で自動で受給が開始します。

受給額は、妻の生年月日で異なり、19,567円~214,992円の間で変動します。最も受給額が高いのは、1945年4月2日~昭和21年4月1日に生まれた方です。

まとめ

家庭の稼ぎ頭が亡くなると、生活に困窮する場合があります。少しでも家計への影響を抑えるために、遺族年金を受給できるかどうか調べたうえで、必要に応じて手続きをしましょう。手続きをしなければ受給できないため、注意が必要です。また、遺族年金のことも大切ですが、遺産相続についても対応を進めなければなりません。

必要に応じて弁護士のサポートを受けて、スムーズに遺産相続を行いましょう。梅田パートナーズ法律事務所では、遺産相続に関してトータルサポートを行うことができますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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西村 雄大Takahiro Nishimura

弁護士法人梅田パートナーズ法律事務所は、確かな実績を積む30代の若い弁護士2名と事務スタッフ数名が在籍しております。
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特に財産に会社株式のあるケースや経営権が絡む相続問題を得意としており、税金対策や経営についても多角的な視点を持って、何が一番いいのかを考え、相続計画と遺言書をつくる必要があります。

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経 歴

2010京都大学 卒業
2012神戸大学法科大学院 卒業
2012司法研修所
2013弁護士 登録
2014中小企業診断士 登録
2014梅田法律事務所 設立
2015経営革新等支援機関 認定
2016梅田パートナーズ法律事務所 改称

事務所概要

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著書および論文名・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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