不動産の生前贈与で相続税を節税できる!メリットと手順を解説
不動産のように価値が高い資産は、生前贈与した方が税金の負担を軽減できる可能性があります。相続税が多額だと遺族に負担がかかるうえに、不動産の売却が必要になるケースも少なくありません。そこで今回は、不動産の生前贈与で相続税を節税する効果やメリット、方法などについて詳しく解説します。
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生前贈与と相続の違い
生前贈与と相続の違いは、資産を承継するタイミングです。生前贈与は、財産の所有者が生存中に本人の意思で承継させますが、相続は所有者が亡くなってから法律や遺言書などに基づいて承継します。
また、承継した資産の価値に基づいて発生する税金についても違いがあります。納める税金は、生前贈与が贈与税、相続が相続税です。同じ価値の財産を承継する場合、贈与税よりも相続税の方が安くなりますが、生前贈与には税制上のさまざまなメリットがあります。
不動産を生前贈与する効果
相続税と贈与税は、いずれも財産の価値が高くなればなるほどに税額も高くなります。相続税は10~55%、贈与税も最大55%です。
それでは、不動産を生前贈与するとどのようなメリットがあるのか詳しくみていきましょう。
相続税が安くなる
相続税は、不動産の所有者が亡くなった際に他の財産を一緒に課税されます。
一方、贈与税は1月1日~12月31日までに贈与を受けた財産額に応じて課税されるのです。そのため、全財産を1年単位で分けて少しずつ贈与することで、結果的に相続税よりも低い税額で財産を次の世代へ承継できます。
ただし、何もかも贈与にしてしまうと結果的に相続税の方が安くなる恐れがあるため、必ず専門家に相談したうえで贈与と相続の配分を決めることが大切です。
例えば生前贈与は、贈与税の他にもさまざまな税金が課税されます。不動産取得税や名義変更に必要な登録免許税などが発生するため、相続した場合と比べて税金の総額が高くなる可能性があります。
希望する相手に贈与できる
相続は、遺言書がある場合を除き、法律で定められた相続人にのみ承継されます。一方、生前贈与は所有者が希望する相手を選ぶことができます。遺言書を作成していたとしても、第三者に遺産を相続することに不満を抱き、トラブルになる可能性も否定できません。
あらかじめ生前贈与しておくことで、そのようなトラブルになるリスクを軽減できます。ただし、法定相続人が承継する予定の財産を内緒で第三者に贈与するとなればトラブルになる恐れがあるため、必要に応じて話し合っておきましょう。
不動産を生前贈与する流れ
不動産を生前贈与する際の流れについて、詳しくみていきましょう。
1. 不動産贈与契約書の作成
生前贈与は口約束でも成立しますが、後からトラブルになるリスクが高くなるため、「不動産贈与契約書」を作成しておくことが大切です。誰が誰にどの不動産を贈与するのかを明記するほか、登録免許税や不動産取得税を誰が負担するのかについても記載しておくとよいでしょう。また、契約書の効力に関して紛争とならないように、直筆で署名して実印を押しておくことをおすすめします。
2. 法務局で登記申請(名義変更)
贈与契約を締結したら、法務局で不動産の名義を変更します。贈与する不動産を管轄する法務局へ登記申請書と必要書類を提出しましょう。必要書類は次のとおりです。
- 贈与する不動産の登記識別情報通知(登記済権利書)
- 贈与する人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
- 贈与を受ける人の住民票
- 固定資産評価証明書
- 不動産贈与契約書(登記原因証明情報)
- 登記申請書
なお、上記の他にも提出書類を求められることがあります。これらの書類を自分で用意するのには大変な労力がかかるうえに、記載方法にミスがあると作成し直すことになるため、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
3.贈与税の申告
贈与税が発生する可能性がある場合は、税務署への申請および納税が必要です。贈与税の申告書には「第一表(兼贈与税の額の計算明細書)」、「第一表の二(住宅取得等資金の非課税の計算明細書)」があり、第一表の二については贈与者が3人以上の場合は複数枚用意しなければなりません。
申告方法は、住所地を管轄する税務署または業務センターに郵便または信書便で送るか、e-Taxを利用します。
まとめ
不動産を生前贈与することで相続税よりも負担を減らせる可能性があります。ただし、何もかも生前贈与すると税金面で不利になる恐れがあるため、贈与税と相続税について適切にシミュレーションする必要があります。税金と言えば税理士に相談することが一般的とされていますが、実は弁護士にも相談が可能です。
梅田パートナーズ法律事務所では、生前贈与と相続税のみならず、遺言書の作成をはじめとした相続関連全般のサポート・アドバイスを行っております。まずはお気軽にご相談ください。
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