おひとりさまの場合は誰が相続する?相続と生前贈与について解説
おひとりさまが自身の財産を誰に相続させるか、また生前贈与をどう活用するかについては、法律的な知識と計画が必要です。本記事では、おひとりさま世帯の相続に関する基本的なルールや、生前にできる対策について詳しく解説します。
おひとりさまの財産を相続する権利がある人
おひとりさまの財産を相続する権利を持つ人は、次のとおりです。
遺言書で指定された人
おひとりさまが遺言書を残している場合、その遺言書に記載された人が財産を相続する権利を持ちます。遺言書は法的な効力を持つため、たとえ家族以外の人であっても、遺言書で指定されていれば財産を相続することが可能です。たとえば、特別な世話をしてくれた友人や慈善団体に財産を遺贈することもできます。
このように、遺言書を作成することで、自分の意思を法的に確実に反映させることができ、将来の遺産分配におけるトラブルを避けることができます。また、遺言書は自筆証書遺言や公正証書遺言など複数の形式があり、公正証書遺言は公証役場で作成されるため、より信頼性が高い形式です。
特別縁故者
遺言書がなく、法定相続人もいない場合、財産は「特別縁故者」に渡る可能性があります。特別縁故者とは、故人と特別な縁があった人を指し、内縁の配偶者や長年世話をしてくれた友人などが該当します。特別縁故者が財産を相続するためには、家庭裁判所に申立てを行い、その縁故の特別な事情を証明する必要があります。
証拠となるものとしては、故人との交流を示す写真や手紙、共同生活の証拠となる住民票、さらに相手が生活や医療費の援助を行った領収書などが有効です。これらの証拠を提出し、裁判所が認めた場合、特別縁故者に財産の相続権が与えられます。
相続する相手がいない場合の財産はどうなる?
相続する相手がいない場合、被相続人の財産はどのように処理されるのでしょうか。以下に具体的な流れを解説します。
1.相続財産管理人の選任
相続人がいない場合、まず家庭裁判所は相続財産管理人を選任します。被相続人の財産を管理し、債務の清算や財産の処分を行います。
2.相続人の捜索
管理人は官報に公告を出し、相続人の存在を確認します。公告期間は2ヶ月です。期間内に相続人が名乗り出なければ、さらに相続人捜索の公告を6ヶ月以上行います。
3.特別縁故者への財産分与
相続人が見つからない場合、特別縁故者が家庭裁判所に申立てを行うことができます。特別縁故者とは、被相続人と特別な関係があった人で、内縁の配偶者や長年世話をしていた友人などが該当します。裁判所が認めれば、特別縁故者に財産の全部または一部が分与されます。
4.財産の国庫帰属
特別縁故者もいない場合、最終的に財産は国庫に帰属します。この場合、被相続人の財産は国家の財産として取り扱われ、公的な目的のために使用されます。たとえば、公共施設の建設や社会福祉のための資金として活用されることがあります。
おひとりさまができる生前対策
おひとりさまが将来の不安を減らし、自身の意思を確実に反映させる方法としては、以下の生前対策が有効です。
遺言書を作成しておく
遺言書を作成することで、自分の財産を誰にどのように分配するかを明確に指示できます。遺言書は自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があり、公正証書遺言は公証役場で作成されるため、法的に有効性が高く、トラブルを避けやすいです。
自筆証書遺言は、遺言者が自分で全文を手書きし、日付と署名を付ける必要があります。手軽に作成できる反面、形式不備による無効リスクが高く、紛失や改ざんの危険もあります。
公正証書遺言は、公証役場で公証人が遺言内容を聞き取り作成するもので、2人以上の証人が必要です。遺言者が自筆できない場合や、確実な法的効力を求める場合に適しています。公証人が関与するため、形式不備による無効リスクが低く、遺言書の保管場所がわからなくなったり紛失したりするリスクもほぼありません。
秘密証書遺言は、遺言者が書いた遺言書を封印し、公証人と2人以上の証人の前でその封印を確認するものです。内容を他人に知られたくない場合に適していますが、遺言書の内容が法律に反していれば無効となる可能性があります。
生前贈与する
生前贈与は、自分が生きているうちに財産を特定の人に贈与する方法です。贈与税がかかる場合もありますが、年間110万円までの贈与は非課税となるなどの控除が利用できます。生前贈与を行うことで、相続時のトラブルを回避し、必要なタイミングで受贈者に財産を渡すことができます。
任意後見契約を締結しておく
任意後見契約は、自分が判断能力を失った場合に備え、信頼できる人に財産管理や生活支援を任せる契約です。契約は公証役場で公正証書として作成され、家庭裁判所が任意後見監督人を選任することで、契約内容が適切に遂行されます。
まとめ
おひとりさまの財産は、相続する相手がいなければ最終的に国庫に帰属します。そのような事態を避けたい場合は、遺言書の作成や生前贈与などの対策を立てることが大切です。梅田パートナーズ法律事務所では、おひとりさまの相続対策としてさまざまなサポートをしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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特に財産に会社株式のあるケースや経営権が絡む相続問題を得意としており、税金対策や経営についても多角的な視点を持って、何が一番いいのかを考え、相続計画と遺言書をつくる必要があります。
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2010 | 京都大学 卒業 |
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2012 | 神戸大学法科大学院 卒業 |
2012 | 司法研修所 |
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2014 | 中小企業診断士 登録 |
2014 | 梅田法律事務所 設立 |
2015 | 経営革新等支援機関 認定 |
2016 | 梅田パートナーズ法律事務所 改称 |
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著書および論文名 | ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院) ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」 ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載 |
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