黒字廃業になるケースとは
近年、経済的に苦しい状況に立たされているわけではないものの、会社をたたんでしまうという企業が急増しています。
これは経済状況が苦しくなって会社を消滅させてしまう倒産とは異なり、黒字廃業と呼ばれます。つまり、事業によって利益が生み出されているにもかかわらず、計画的に会社を消滅させるというものです。黒字廃業を行う会社は圧倒的に中小企業が多いです。
2020年には約55%の企業がこの黒字廃業の恐れがあると回答しています。その理由の多くは、事業の承継が難しいというものです。
黒字廃業に陥る代表的なケースとして、事業承継を行うための後継者がいないということが挙げられます。
後継者不足によって廃業した会社は2020年が過去最多の301件でした。
後継者不足の原因としては少子化、職業選択の幅が広がったことやグローバル化などがあります。また、自分が引き継いだ時から、自分の代で会社を畳もうと思っていたというかたや事業が時代にそわないため会社を畳むことにしたという方も少なくありません。
しかし、黒字である事業を廃業してしまうことは社会経済的に見ればとても勿体無いです。
そのため、黒字廃業を免れるためのいくつかの手段があります。
その手段として挙げられるのが、事業承継やM&Aです。
事業承継は万が一引き継いでくれる親族の後継者がいなかったとしても、会社の従業員や社外から経営者を承知することなどによって事業を包括的に譲渡するという方法です。(もちろん、親族への事業承継も含まれます)もっとも、事業承継には税金がかけられてしまうため、親族以外に承継させる場合には資金源の確保が必要ですし、親族以外の者が事業を引き継ぐためには親族からの理解を得たり、株主から信用を得たりするための努力が欠かせません。
M&Aは会社や事業の一部を他の会社に売却することによって行われる方法です。M&Aの場合、売却という形をとるため、M&Aによって売却した者に対価が支払われ、経営者は利益を得ることができる場合もあります。そのため、この点でメリットがあります。
また、近年では中小企業間でもM&Aが行われており、より一般化が進んでいるため会社を廃業させないために今後M&Aの利用は増加すること予想されます。もっとも、M&Aは会社法などの法律の専門的知識が必要となるため、手続きには入念な準備が必要です。
黒字廃業になってしまう場合、それを回避する方法は他にもあります。詳しくは、会社法に詳しい弁護士などにご相談して廃業にしない方策を立ててもらうことも一つの手段です。当事務所でも、そのようなご相談に載っておりますので、気になる方はぜひ一度当事務所にご相談ください。
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