会社経営者が自己破産した場合の会社への影響や責任について解説
会社経営者が自己破産を検討するときに心配になることは、会社への影響です。
従業員の生活はどうなるのか、法的に罰則は発生するのかなどさまざまな心配があります。
この記事では、会社経営者が自己破産した場合の会社への影響や責任について解説します。
会社経営者が自己破産しても会社は残せる
会社経営者が自己破産しても会社が破産するわけではありません。
法律上、会社と経営者は別人格とみなされるためです。
実際は、会社経営者が自己破産した場合、会社も同時に破産するケースが多いです。
たとえば、自己破産した会社経営者が会社にお金を貸している場合、破産管財人が会社に対して支払いを請求します。
会社が支払えないのであれば、会社も倒産することになります。
従業員への影響
会社経営者が自己破産し会社も倒産した場合、従業員は解雇されます。
従業員に対して未払いの給与や退職金がある場合、破産手続きの中で残っている資産の中から優先的に支払われることになります。
しかし、会社に資産が残っていない場合、労働者健康安全機構の「未払賃金立替払制度」を利用することが可能です。
「未払賃金立替払制度」とは、会社の倒産により賃金が支払われないまま退職した従業員に対して、未払い賃金の一部を立替払いする制度のことです。
会社が倒産しないと未払賃金立替払制度を利用することはできません。
未払賃金立替払制度や失業給付については専門的な知識が必要なため、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
罰則は発生しない
会社経営者が自己破産しても、法的な罰則が課されることはありません。
しかし、信用情報機関に自己破産の事実が登録されます。
信用情報機関とは、銀行や信用金庫などが加入している個人の信用情報を登録・管理する機関のことです。
経営者が自己破産したことが一定期間(5~10年間)登録され、その間は、金融機関などから融資を受けたり、クレジットカードの発行を受けたりすることができなくなります。
会社経営者として故意または重過失によって法令違反などを犯した場合、損害賠償責任が生じる可能性があります。
理由は、会社経営者は会社に対して「善管注意義務」が課されているからです。
善管注意義務とは、「善良な管理者の注意義務」のことで、会社経営者として代表取締役や取締役などの役職を持つ人に対して課されている義務のことです。
会社経営者は会社の管理者として強い責任意識のもと、 法律上要求される一定の注意を払わなくてはなりません。
まとめ
会社経営者が自己破産する場合、会社も同時に破産することが一般的です。
法人破産の手続きを無理なく行うためには、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
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