自己破産した場合、家族にはどんな影響がある?
会社経営者が会社を破産することで、社長個人の財産や家族に影響を及ぼすことがあります。
現在会社の破産を考えていらっしゃる経営者の方は、ご家族に心労や負担をかけるのではないかと、心配されていることと思います。
当記事では、会社経営者の破産に伴う家族への影響について詳しく解説をしていきます。
◆会社経営者の破産が与える家族への影響
・持ち家や土地が社長個人の資産であった場合は引っ越し
社長が持ち家を保有し、そこに家族と一緒に住んでいたようなケースでは、賃貸物件に引っ越すこととなります。
その理由としては、破産により家や土地などの財産は差し押さえられ、競売にかけられてしまうからです。
周辺に最適な物件が見つかった場合には、大きな影響はありませんが、転職や転校を伴う可能性も低くはありません。
・社長が車を個人で所有していた場合の影響
車も上記の差し押さえ、競売の対象となります。
そして車がなくなったことによって、交通手段がなくなるため、バスや電車などの公共交通機関の利用が不可欠となります。
車の売却により、子どもの学校や習い事への送り迎えや、要介護者がいるような場合には通院など、必要な場面で車がないことで家族に迷惑がかかることも考えられます。
もっとも、ローン残がなく、査定額が20万円以下の場合には、マイカーを維持することができる場合もあります。
・家族の定期預金・学資保険がなくなることもある
破産をした場合には、子ども将来に向けて契約した預金・学資保険なども換金処分されることとなります。
その理由としては、定期預金と解約返戻金が20万円を上回る場合には、財産として扱われるからです。
学資保険は契約者が子どもであった場合でも、親の収入から支払われることが通常なので、差し押さえの対象となってしまいます。
・家族カードが解約される
契約したクレジットカードに家族カードがある場合には、すべてのカードが解約となってしまいます。
もっとも、妻や子どもが個人で契約をし、使用しているクレジットカードに関しては今後も使用することができます。
しかしながら次のことに注意しなければなりません。
・家族がカードを作ろうとしても審査が通りにくくなることもある
ブラックリストに載る家族と同居している場合には、クレジットカードの審査に落ちることがあります。
審査の際には、信用情報機関に借り入れ状況の照会が行われ、破産した会社経営者と同じ住所であることが判明すると、審査が通りにくくなります。
・家族が保証人なら家族も債務整理が必要
自身の家族が保証人となっていた場合には、家族に借金の返済義務が及ぶこととなります。
もし破産手続きをした場合には、破産者たる会社経営者は、免責によって借金の返済義務がなくなりますが、保証人である家族には支払い義務が残ってしまいます。
もっともこのような場合には、家族も返済をすることができないのは当然のことであり、保証人も債務整理を行うことが前提となっています。
◆家族への影響を最小限に抑えるには
家族への影響を最小限に抑えたい場合には、自己破産よりも任意整理を利用することをおすすめします。特に家族が保証人となっている場合には個人再生を利用した方が良いでしょう。
自己破産は債務が全てなくなるという最大のメリットがありますが、その反面デメリットも非常に大きなものとなります。
しかしながら任意整理や個人再生を利用すると、債務の支払い義務は残りますが、財産が差し押さえられることはないため、家族への影響を最小限に抑えることができます。
梅田パートナーズ法律事務所では、大阪府を拠点とし、法人の倒産や破産問題を業務として取り扱っております。
ご家族のいらっしゃる会社経営者の方で、現在倒産を検討中の方は、一度弁護士に相談することをおすすめいたします。
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