破産債権と財団債権の違いとは?優先順位や弁済方法など
会社が破産した場合、会社の財産は処分され債権者に分配されます。
その分配には、債権の種類により優先順位が定められており、基本的に財団債権は優先されます。
この記事では、破産債権と財団債権の違い、優先順位や弁済方法についてご紹介します。
破産債権と財団債権の違い
破産債権とは、破産者に対し破産手続き前の原因に基づいて生じた財産の請求権のことです。
金融機関からの借入、買掛金や外注費、営業における債権の多くは、破産債権に該当します。
破産債権は、破産管財人のもと、破産者の財産の中から配当という手続きで債権額に見合った弁済しか受けることができません。
財団債権とは、破産手続きによらず、破産財団から弁済を受けられます。
破産財団とは、不動産などの破産者の財産、相続財産などのことで、破産管財人にそれらすべてを処分・管理する権利が与えられています。
財団債権は、破産財団の中から最も優先的に弁済を受けることが可能です。
破産債権と財団債権の違いは、破産手続きによる弁済を受けられるかどうかという点にあるといえます。
破産債権はいつでも弁済を受けられるわけではない一方で、財団債権は基本的に全額の弁済を受けることが可能です。
破産に関する債権の種類と優先順位
会社の破産に関する債権には、以下のような種類と優先順位があります。
- 財団債権…破産手続きによらず、破産財団から弁済を受けられる債権
- 優先的破産債権…財団債権に当たらない債権で、租税公課や給料債権など
- 一般的破産債権…他の破産債権に該当しない破産債権で、売掛金や借入金債権など
- 劣後的破産債権…破産手続開始後の利息、遅延損害金、延滞税、加算税など
- 約定劣後破産債権…手続き前に配当の優先順位が最も下位であることを破産債権者と破産者との間で合意された債権
基本的に、財団債権は破産債権より優先されます。
優先順位に違反して先に後順位の債権者に返済を行った場合、先順位の債権者は債務者に対して損害賠償請求を求めることが可能です。
財団債権の弁済方法
財団債権は、破産財団の中からいつでも弁済を受けることが可能です。
財産の不足などにより、破産財団がすべての債権の弁済を行えない場合、劣後する財団債権の一部または全部について弁済がなされないこともあります。
破産管財人による財団債権の承認は、裁判所の許可が必要です。
しかし、100万円以下の財産については裁判所の許可を要さず、破産管財人が財団債権を承認することで弁済がなされます。
まとめ
破産債権と財団債権の中でもさらに種類が分類されており、優先順位が細かく設定されています。
優先順位を間違えると責任が問われるため注意が必要です。
法人破産についてお悩みの方は、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
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