会社が破産したあとの経営者はどうなるか
会社破産とは、会社の資金繰りが厳しくなった際に、会社の所有する財産や事業を清算する代わりに債務の全てを免除してもらう裁判上の手続きのことを言います。
借金が全てなくなることから、新しいスタートを切りやすい反面、今まで購入してきた財産を全て処分しなければならないというデメリットがある会社破産ですが、この制度を利用した際、経営者はどのような立場になるのでしょうか。以下説明します。
会社が破産したとしても、経営者個人に対して会社債務の支払いを求めることはできません。会社が破産手続きの申立てをすると、所有していた財産が全て破産管財人により債権者へと公平に配当され、債権者は満足を得ます。よって、基本的には、経営者は個人的な責任を負うことにはなりません。
もっとも、中小企業で銀行からお金を借りる際には、経営者が連帯保証契約(民法436条以下)を締結していることがあります。その際、会社が破産し、解散した際には、残った債務は経営者へと請求されることとなりますので注意が必要です。
では、上記の場合、経営者も弁済を免れるにはどのような手段を採れば良いのでしょうか。
最も適しているものとして、「個人破産」が挙げられます。
個人破産は、会社破産と同様の仕組みで、個人の負っている債務がもはや弁済することが不可能になってしまった時に、自己の所有している財産を処分することと引き換えに、債務を全て免除してもらう手続きをいいます。
最も、個人破産を利用した際には、以下のようなデメリットが付き纏うため、注意が必要です。
・99万円以下の現金のみ自分の手元に残り、後の財産は全て債権者に配当される
・一軒家を所有している場合などは、不動産も処分されてしまうため、引っ越しをしなければならなくなる
・一定期間(5年〜10年)クレジットカードを発行することができなくなり、また、ローンを組むことができなくなる
・弁護士や税理士などの士業や、取締役などの仕事を一定期間行うことができなくなる
(復権の手続きを行うことによって復職することが可能)
以上より、自己破産をする際には今後の生活を大きく変えうる事態になりますので、会社の債務を自己が連帯保証しているかどうかは、しっかりと管理しておく必要があります。
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