特定調停とは?目的や要件、手続きの流れなど
■特定調停とは
特定調停とは、債務が返済できなくなる恐れのある債務者の経済的な再生を図るべく、債務者の金銭債務関係の調整を行うことを目的とする手続きのことを言います。
特定調停は、弁護士などの専門家に依頼することなく行える手続きであることから、他の債務整理よりも費用を抑えることができるというメリットや、裁判官と調停委員によって構成される調停委員会による介入により、債務者自身の交渉における負担が減るというメリットがあります。
その反面、特定調停では裁判所が債権名義である調停証書を作成することから、債務者がこの証書に書かれた内容を履行しない場合、債権者からただちに強制執行をかけられてしまうというデメリットがあります。また、その他のデメリットとして、調停の成功率が低いこと、クレジットカードの利用やローンの新規利用ができなくなることがあげられます。
■特定調停の要件
特定調停の要件は、⑴「特定債務者」であること、及び、⑵特定調停の申立てを行ったこと、です。
このうち「特定債務者」とは、金銭債務を負っている者であって、
①支払不能に陥るおそれのあるもの
②事業の継続に支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することが困難であるもの
③債務超過に陥るおそれのある法人
のいずれかに該当する者をいいます。
■特定調停手続きの流れ
特定調停手続きは以下の流れに沿って行われます。
①申立て書類の作成及び申立て
②事件受付表の交付・調停準備日の指定
③調停委員の選任
④調停準備日
⑤調停期日
⑥調停調書の作成又は調停に代わる決定
⑦返済の実行
⑧完済
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