法人の特別清算手続きの流れ|清算開始後はどうなる?
法人を解散することになった際の手続きの流れは一般的には知られていません。そこで、この記事では法人の特別清算手続きの流れと清算開始後の対応について解説をしていきます。
◆特別清算とは
特別清算とは、債務超過になった法人を清算することで、会社そのものを消滅させる手続きを指します。債務超過に関しては当サイトのホームページの「債務超過とはどんな状態のことを指す?」という記事を参考にしていただけると幸いです。
特別清算の特徴としては、清算の手続きを清算する株式会社が主導で行うため、破産手続きと比較すると、簡易かつ迅速に清算を進めることができるという点にあるでしょう。
また、特別清算に関しては、株式会社のみを対象とする手続きであるため、有限・合名・合同・合資会社に関しては利用することができません。
◆特別清算には2種類ある
特別清算手続きは協定型と個別和解型の2種類があります。
・協定型
協定型は、債権者集会を行い弁済方法についての協定を各債権者と行う手続きであり、協定が可決された場合には、裁判所によって協定の許可を得て債務の弁済を行なっていきます。
・個別和解型
個別和解型は、裁判所の許可を得て、債権者全員と個別に和解をすることで清算をする手続きです。基本的には親会社の税務対策として行われるケースが多くなっています。
◆特別精算手続きの流れ
①弁護士に相談・依頼
特別清算の手続きは、非常に複雑なものであり、個人で行うことはまず不可能であるため、弁護士に依頼をするのが通常です。
②解散・清算人選任に関する株主総会決議
会社を解散させる場合には、株主総会決議によって解散の賛成を得た上で、清算人の選任を行います。
株主総会においては、議決権を行使することができる株主が過半数出席しており、出席株主の3分の2以上の賛成を得なければなりません。
解散に関する株主総会決議が議案となっている段階で、ほとんどの場合で会社の経営継続が困難な状態に陥っていることが多く、否決となることはまずないと考えて良いでしょう。
そして清算人に関しては、取締役は当然に清算人に就任することとなりますが、株主総会決議によって、別の清算人(大体が依頼をした弁護士)を選任することができます。
③解散登記
解散後2週間以内に株主総会の解散と清算人選任に登記を行う必要があります。
④財産目録等の作成・株主総会の承認
清算人は、解散後遅滞なく、解散時における株式会社の財産目録及び貸借対照表を作成の上、株主総会による承認を得なければなりません。
⑤債権者に対する官報公告及び催告
清算人は、債権者に対し、一定の期間内にその債権を申し出るべき旨を官報に公告する義務が発生します。
⑥特別清算の申立て
会社の本店所在地を管轄する地方裁判所に特別清算の申し立てを行います。
この際にさまざまな添付書類が必要となるためしっかりと準備をする必要があります。
以下の資料が必要となります。
・商業登記全部事項証明書
・定款
・解散及び清算人選任の決議をした株主総会議事録
・財産目録及び貸借対照表
・株主名簿
・債権者一覧表
・官報公告及び催告を行なったことを明らかにする書面
・過去3年間の決算報告書
・債権者の申し立て同意書と当該債権者の代表者資格証明書
・その他特別清算開始の原因となる事実を証する書面
その後、裁判所の判断により、「清算の遂行に著しい支障を来すべき事情があること」「債務超過の疑いがあること」が認められれば、特別清算が命じられます。
ただし、
・費用の予納がない
・精算を結了する見込みがないことが明らか
・債権者の一般の利益に反することが明らか
・不当な目的で申し立てられた
・その他申し立てが不誠実なものであった
というような事情がある場合には、申し立てが却下されます。
◆精算開始後の対応
精算開始後の対応は協定型か個別和解型かで変わってきます。
基本的に協定型に関してはすでに行われた債権者集会での話し合いの協定を裁判所に提出し、許可を得た場合にはその協定通りの履行を行うことになるというものです。
個別和解型の場合は、和解案を債権者と裁判所に提出し、裁判所の許可を得て債権者との間で個別に和解を締結していくこととなります。
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